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集団認知行動療法(集団CBT)

2021年3月31日

みなさん、こんにちは。 復職支援デイケア「クローバー」の作業療法士です。
今月はプログラムとして「集団認知行動療法(集団CBT)」を行いました。内容を紹介いたします。

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<認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy;CBT)とは?>

症状や問題行動を改善し、セルフケアを促進するための心理療法です。 ある出来事に対してどんなことを考えるか(認知)、またどんな行動をとるか(行動)。
その傾向は人それぞれで異なり、その人の習慣となっています。 認知や行動がどのような形をとるかによって、そのあとの気分(情動)に違いが現れます。
また、、身体の反応が現れることもあります。そのため、認知・行動・情動・身体の4つは、密接に関連しており、お互いに影響を与えています。
そして、時に、習慣になっている認知や行動のパターンが、自分自身を辛くさせたり、ストレスをためたりすることに繋がる場合があります(認知・行動・情動・身体反応の悪循環)。 CBTでは、そうしたネガティブに留まってしまう悪循環をターゲットとして扱い、より適応的な、自分を楽にしてくれる認知や行動の習慣を身に付けていくことを狙いとします。 ネガティブ⇒ポジティブに変えるという意味合いではなく、新しい考え方・対処行動のレパートリーを増やし(多様性)、適切に活用できるようになる(柔軟性)ことを目指します。

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「集団CBT」は、複数人のグループで取り組むCBTです。 クローバーでは、火曜のGWTや木曜のSSTと同様に(過去のブログ記事をご参照ください)、集団の場を活かしたプログラムの1つとして行っています。 クローバーの集団CBTでは、職場で起こりやすかった自身の考え方の癖をメンバー同士で発表しあい、各々のパターンを共有しています。 みなさんの発表を聞いていると、「わかる!」といった共感や、「こんな風に考えるのか!」といった発見があったりします。

悪循環を変えていくためにはまず、自分の認知や行動のパターンを知る必要があります。質問紙をもとに自分の認知の癖(考え方の癖)を知っていただきます。

病気の有無にかかわらず、誰にも考え方の癖は存在しています。そこから起こる悪循環を捉え、別の行動や考え方のレパートリーを増やしていくことがポイントです。

考え方の癖を知り、困っていた状況を整理すると、自分のパターンが見えてきます。そのパターンのどこにアプローチすれば状況が変わりそうかという点に着目していきます。
ここで重要なのは環境は思うように変えられないが、自分自身は変えられるという視点を持つことです。(自分自身の認知と行動は変える、選択することができる=認知行動療法と呼ばれる所以です。)

悪循環を変えたい、自分のパターンを変えたいと思っていてもこれまでの自分の考え方や行動がベースでは同じことになりやすいです。そのため、「集団」の力を借りる必要があるのです。
他者の考えや行動を知ることで自分が客観視できたり、自分では考えつかない方法を他者が持っていたり…と新たなパターンのヒントがたくさん見つかるのです。
こういった集団の力をいろんなところで得られるのがリワークの利点の一つだと考えています。